時事問題

日本はネオ社会主義国になった?

 

いきなり結論ですが、日本は社会主義国ではありません。

みなさんがご存知の通り、選挙にて政治家を選び代表として国を動かすという間接民主主義の制度が成り立っているからです。

しかしながら、話題の新型コロナウイルスの対応を巡る諸外国の対応や日本の対応を踏まえて、思うところがありました。

この記事では疑問点を3点ほど取り上げて考えてみたいと思います。

 

①諸外国との対応の違い

 

まず、現状で日本では新型コロナウイルスの感染者数が約1,500人程度、死亡者数が29人となっています。(クルーズ船の乗客を含みます)

イタリアでは1,266人、イランで514人、スペインで121人もの死亡者がいます。

確かに日本人が衛生管理が行き届いてること、海外の文化(特にヨーロッパでのハグや宗教の集まりなど)の違いがあることも大いに影響しているとは思います。

海外でも多数の死亡者がいることを考えると日本の対応は素晴らしいと言えるかと思います。

 

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海外に目を向けると、アメリカではヨーロッパからの渡航客に制限をかけたり、日本からの渡航を禁じる国も多数あります。

外交の観点を考えると目には眼をじゃないですが、やられたらやり返すのが基本です。

渡航を禁じられたなら、禁じ返す。

日本はどうかというと、海外ほど強い制限を設けていません。

一方的に渡航を禁じられている国が多く存在している状況です。

民主主義であれば主権を持つ国民が、対外的に強い外交を求めるべきですが、それもありません。

 

それどころか国内のイベント自粛や休校措置等、国民に対する負担を強いています。

アメリカでは国民を守るため、海外から感染症が運ばれることを防ぐ政策。

日本は感染症を受け入れて、国民の犠牲(負担)のもと、感染が広まることを抑える。

これは大きな違いであると思います。

 

 

②政府の対応に対する国民の姿勢

 

国民に大きな負担を政府が求めますが、現状として補償の話も煮詰まっていません。

卒業式が出来ない子供やライブの出来ないアーティスト、プロ野球が延期になり、ディズニーランドは閉園しています。

 

自粛等は海外もやっているでは無いか、と思いますが海外では感染者数が100人単位になってようやく自粛ムードが始まりました。

イタリアでは2週間、薬局やスーパーマーケット以外の店舗を閉めるという政策を行うと発表がありましたが死亡者数が1,000人に迫る勢いだったので止むを得ない状況でした。

 

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日本では100人にも満たない段階での自粛要請。

国民には主権があり権利があるので、要請であるのならば断ることも無視することもできます。

しかし、要請を無視する企業や個人はほとんどいません。(東京事変などの例外はありますが)

要請とは言葉ばかりで実質は命令に近しいものだと認識しています。

感染者100人未満で、自粛要請によって行動制限される国民は社会主義国以外であったのでしょうか?

 

 

③社会主義と民主主義

 

そもそも社会主義とか民主主義とか何なんだ、と思う方もいるかと思います。

 

 

民主主義

          人民が主権を持ち行使する政治。

 

 

社会主義

個人主義的な自由主義経済や資本主義の弊害に反対し、より平等で公正な社会を目指す思想、運動、体制

 

 

(wikipediaより)

 

すごくわかりにくいと思いますが、民主主義は「基本的人権の尊重」に代表されるように個人の価値観や個人の考えを重視した考え方です。

個人の考えは人それぞれなので、何かを意思決定するにはみんなの意見を汲むことは不可能なので民主的に意見を募り決める手法を取ります。(多数決による選挙)

 

社会主義では個人の考えよりも社会を重んじる考えが優先的に存在します。

社会(国家)に守ってもらう代わりに国家のルールは徹底して守る。

そこには個人的な人権を侵害する恐れも混在します。

 

日本が行ったイベント自粛要請や休校措置が、もし法律の根拠が存在して要請ではなく命令だとしたら、民主性のある決断だったと言えると思いますが、

今回が要請でありながら言わずもがなの強制力を持ち、法の根拠を持たない判断で国民に行動制限を迫る。

これは民主主義を逸脱しているのでは無いか?

社会のための犠牲はやむを得ない、これは社会主義そのものでは無いか?

 

結論

 

しかし、日本は社会主義国ではありません。

なぜなら納得がいかないのであれば国を変えることの出来る「選挙」という制度もあること、

法改正によってイベント自粛や休校措置に法的根拠を持たせることも出来るからです。

 

日本は民主主義国でありながら、社会主義も取り入れているというのが言い得て妙なのでは無いでしょうか。

災害や今回のような感染症など、いざとなれば対応できるのは国民性ですし、政府の言うことを文句も言いながら過度に個人の主権を主張しすぎず大人しく対応することも国民性なのでしょう。

私はこの日本における「国民性」は嫌いではありません。むしろ好きです。

この国民性が新型コロナウイルスによる死亡者数を抑えている最大の要因だと私は考えています。

 

この民主主義と社会主義のハイブリッドの国民性を持つ、日本の良さを活かすにはバランスが必要不可欠です。

民主主義の要素を失えば、本当にネオ社会主義国になってしまいます。

きちんとした法改正や法整備、補償も含めた具体的な対応。

自粛はいつ終わるのかの判断、終結したあとの経済対策。

本当に政府が問題あるのであれば、選挙で示す国民の姿勢。

 

全て、みんな大切です。

この曖昧な世の中を守っていけたら良いなと私は思います。