臨時休校、渡航禁止や入国禁止など、日々目まぐるしく変わる新型コロナウイルスに関する話題ですが、今回はイベント自粛に関わる問題について取り上げます。
そもそもイベント自粛の流れは?
安倍晋三総理は2月26日に
政府といたしましては、この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえて、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請することといたします。
との声明を発表しました。
これにより
・JリーグやBリーグのスポーツ開催が延期
・プロ野球のオープン戦が無観客試合で開催
・東京マラソンでは一般ランナーの参加自粛
スポーツ以外でも福山雅治さんや星野源さんなどのライブが中止になるなど、多くのイベントに影響を与えています。
自粛ムードの中で
自粛要請を受け、世の中が一層自粛ムードに包まれました。
(実際は臨時休校が自粛ムードを一番後押ししたとは思いますが)
そんな中、人気バンド東京事変が2月29日にライブイベントを決行しました。
開催した会場は東京国際フォーラム ホールA です。
東京国際フォーラム ホールA
東京都千代田区丸の内にあるキャパシティ5012人の公的施設。
アジア最大のコンサートホールとしても有名
この決行に対しては批判の声も多く挙がりました。
・ライブ決行によって多くのファンが危険にさらされる
・不安感のある中ではファンとしても純粋に楽しめない
・感染症を持ち帰るリスクは”自己責任”では済まない
自分が感染してしまえば、ファンやライブに来ていた人と全く関係のない人に広めてしまう、と言うリスクを懸念する声が一番多かったです。
ライブ決行は悪なのか?
これはとても難しい問題だと思います。
安倍首相による2月26日の発言は、あくまでも要請であり、強制性が無いものです。
そのため、結局は民間で判断をしなければなりません。
さらに「多数の方が集まるような」との文言。
多数とは何人のことでしょうか?
個人的には東京国際フォーラムの5,000人は確かに多数には当たると思うのですが、ライブハウスの2,000人は多数なのでしょうか?
1,000人は?
100人規模でも中止を判断したイベントもあるということですので、判断は人それぞれあるのだと思います。
つまりは、誰も正しい判断も出来ず、要請という強制力もないもの中、正解は無いのです。
民間の自制心や良心に委ねた判断なので、これは仕方ないことと言えるかと思います。
もちろん、イベントを主宰するアーティストや周りのスタッフ、警備員や施設運営者。
みなさん生活もあります。
そんな中、決行したアーティストやイベント主催者を一概に責めるのはかわいそうな気もします。
頑張っている民間企業
そんな中、こんなニュースが入ってきました。
全国に展開するシネマコンプレックス「109シネマズ」が新型コロナウイルス感染拡大防止の一環として、6日より座席間隔を空けてチケットを販売することを発表しました。
イオンシネマも同様な対処をするようで、既に報じられています。
映画も中止にしたら話は早いのですが、もちろん生活もあるので簡単に出来ません。
しかしながらリスクを放置することも出来ない。
そこで生み出された知恵が、座席感覚を空けたチケット販売。
もちろん、これで感染リスクが0になるわけではないですが、工夫を凝らした対応でとても素晴らしいと思います。
民間企業は悩んでいる
民間企業はこの自粛ムードの中、安倍首相の要請がありつつも、結局自分たちで判断することを迫られています。
もちろん、開催や決行にはリスクがあり、何かあれば責められることもあるでしょう。
ただ、補償が無いこと、生活があることを見落としてはいけません。
自粛要請から1週間が経ち、2週目に突入しています。
この自粛期間がいつまで続くのか、いつから開放されるのか、頭を抱えていることかと思います。
政府が本当にやるべきこと
まず、自粛は要請でなく強制すべきだった、多数という曖昧な表現でなく、何人以上がダメだと伝えるべきだったと考えます。
しかし、これは過ぎたことなので、これからのことを考えるべきだと思います。
なぜ強制にしなかったのか?
それは簡単です。
政府が責任を負えないからです。
日本において、最後に責任を負えるのは政府しかないと、私は思います。
一度うまくいかなかったのなら、今度は気概を見せて欲しい。
次はいつから自粛を解除して良いのか、何人規模なら良いのか。補償はあるのか。
これを国民に伝えることが大事だと思います。
政府という立場で責任を果たして、国民みんなで国難に立ち向かっていけたら良いなと思います。
自粛のゴールを民間に丸投げしてはいけない!